日本の周産期死亡率(妊娠22週から生後1週間迄に死亡する赤ちゃんの割合)は年々低下しています。
2005年では、出生1000人当たり3.3人で先進国の中でも群を抜いて低く、今や最も安全に赤ちゃんが生まれる国となっています。
しかし、この数字は300件のお産のうち1人は助からない赤ちゃんがいる事をも意味しております。
特に妊娠36週以前の早産では、赤ちゃんの肺が未熟で拡がらず出生時に呼吸困難になる事があります。
また赤ちゃんが子宮内で低酸素になると、腸の動きが一時的に活発になり肛門が緩んで便を出し、それを吸い込んで窒息する事もあります。
この様に胎内で低酸素であったり、分娩時のストレスが強すぎたり、あるいは赤ちゃんにもともと異常がある場合には新生児仮死という状態になってしまいます。
いずれも赤ちゃんの生命に係わる緊急事態で、分娩直後から小児科医の速やかな対応が必要となります。
当院では危険性が高いお産が予想される際には、あらかじめ分娩時に小児科医が立ち会って赤ちゃんの状態に対応することが出来ます。
又、出生時の赤ちゃんの状態が予想外に悪く、たとえ小児科医が分娩時に立ち会うことが出来なくても、産科医から小児科医に連絡して新生児専門の関連施設へ速やかに赤ちゃんを搬送する事も可能です。
私たち小児科医はこうした出産時の対応だけでなく、入院中の診察や外来での定期健診を通して、無限の可能性を秘めたご両親の大切な赤ちゃんの健康をサポート致します。